東アジア市民社会を志向する韓国
200万を超える移民の住む多文化社会に急変した韓国。移民の問題を庶民の問題と捉える様々な活動の最前線をレポート。
著者 | 申 明直 編 |
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ジャンル | 社会・経済・環境・政治 |
出版年月日 | 2019/03/30 |
ISBN | 9784894892606 |
判型・ページ数 | A5・304ページ |
定価 | 本体4,000円+税 |
在庫 | 在庫あり |
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目次
はじめに
1 本書の背景、あるべき理念
2 東アジア文化共同体について──矮小化した人文学の先へ
3 東アジア文化共同体と多文化共生
4 東アジア市民社会への道
5 まとめ──東アジア市民社会からアジアの平和へ
第1章 安山テッコル村と高麗人移住労働(金勝力/訳:申惠媛・付記訳:浦川登久恵)
1 アリナのアリラン──H2という烙印
2 ターニャの涙──F4という烙印
3 国内滞留高麗人の現況
4 安山高麗人村の形成
5 移住労働の形態および国内滞留状況と問題点
6 それぞれに合わせた同胞政策の必要性
7 国内に滞留する高麗人問題解決のための市民社会の努力
8 結論──国内に滞留する高麗人問題解決のための方向と課題
第2章 華僑華人の変貌と「東アジア市民」の形成(申明直/訳:浦川登久恵)
1 はじめに
2 植民型「中間市民」と動員された東アジア市民
3 同化型 「類似市民」と開発/独裁型国民
──華僑の東アジア居住国での華人化
4 中華型「ネットワーク市民」と三語疎通型東南アジア市民
5 終わりに
第3章 韓国の移住労働者政策とシティズンシップの再構成(盧恩明/訳:申惠媛)
1 はじめに
2 韓国の移住労働者政策の変遷過程
3 韓国におけるシティズンシップの分解
4 移住労働者政策の方向性とシティズンシップの再構成
第4章 韓国のネパールコミュニティと帰還後の活動(李蘭珠/訳:申惠媛)
1 ネパール人共同体が始まる
2 ネパール人共同体の主要活動
3 移住労働運動の中心に
4 葛藤と分化
5 指導部の大挙帰還とNCCの弱体化
6 帰還移住労働者たちの新たな挑戦
7 結び
第5章 ベトナム人母娘3代の結婚と韓国──ベトナム戦争から多文化まで、市民権獲得を中心に(許呉英淑/訳:申惠媛)
1 はじめに
2 2005年に建立されたベトナム参戦記念塔の意味
3 ベトナム人女性の移住結婚と韓国
4 韓国とベトナム双方で隠された血統、ライタイハン
5 「ライタイハン」スミンの母娘3代と韓国市民権
6 国民だが、国民ではない
7 結論
第6章 「地球人の停留場」と農業移住労働者──農業、とくに女性労働者を中心に(金二瓚/訳:浦川登久恵)
1 地球人の停留場──農業労働者たちの話が集まる場所
2 「多文化」という風船に隠されてきた外国人たち
3 農業女性移住労働者
4 雇用許可制の限界
5 「セルフ セミ バイオグラフィー」の企画
6 終わりに
第7章 公正貿易(フェアトレード)と公正貿易タウン(Fairtrade Town)運動
──なぜアジアでなぜネットワークなのか?(李康伯/訳:金良淑・浦川登久恵)
1 気候変動の主犯は誰でしょうか?
2 全世界の難民の数は6千5百万名を越えている
3 誰が絶対貧困に苦しめられているのでしょうか?
4 誰が気候変動の被害をいちばん深刻に受けているのでしょうか?
5 公正貿易の本質は社会連帯経済(Social Solidarity Economy)を創造すること
6 公正貿易タウン運動はグローバルかつローカルな運動
7 なぜアジアなのか?
8 なぜネットワークなのか?
9 むすび
第8章 ロシア沿海州の高麗人と社会的企業 バリの夢
──東北アジアコリアンとともに東アジア協同経済ネットワークを構築する社会的企業バリの夢(金鉉東/訳:浦川登久恵)
1 はじめに
2 高麗人の移住史と農業
3 2000年代(2004〜2010)高麗人農業定着支援事業──「東北アジア平和連帯」と「NPO沿海州東北アジア平和基金」を中心に
4 2000年代(2004〜2009)高麗人農業定着支援事業の評価と今後の方向
5 2010年代前半期(2010〜2014):高麗人事業方式の転換──「農業定着事業」から「協同経済」方式へ
6 2010年前半期(2010〜2014)高麗人事業の評価と課題
7 おわりに
第9章 韓国の社会的経済運動とアジア市民社会(李栄煥/訳:浦川登久恵)
1 序論
2 社会的経済と市民社会、そして福祉国家
3 韓国の市民社会と社会的経済運動、そして福祉国家──社会的経済は韓国の市民社会の変化に
4 韓国社会的経済運動の歴史と性格
5 アジア連帯社会経済運動の類型ならびに進化──韓国の経験と課題
6 結論
あとがき(申明直)
索引
写真図表一覧
内容説明
「他人事」ではない、これは日本の「現在」「明日」でもある。
急激に民主化と高度成長を成し遂げた韓国は、同時に200万を超える移民の住む多文化社会にも急変した。本書の著者たちは、競争と格差、非正規就労や高齢化の波に直面する庶民の問題を移民たちの問題と同根と見なし、さまざまな活動を行ってきた。貴重な実践レポートの先に見えるものは……
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序論(野村伸一)より
1 本書の背景、あるべき理念
本書所収の諸論考は2015年6月27日、ソウルの聖公会大学で開催された「東アジア共生シンポジウム 東アジア市民社会を志向する韓国」での発表原稿と討論を基にしている。
このシンポジウムは聖公会大学社会的企業研究センターとNPO法人東アジア共生文化センターの共催による。ただし、これは研究者の集まりではなかった。上記、二組織の代表者李栄煥と申明直の熱意が先ずあった。二人は、韓国内外で日々奔走する市民運動家たちによびかけた。その人徳もあったのか、実践で忙しいなか何とか糾合して開催にこぎつけた。この集まりの背景を振り返ると次のようになる。
韓国社会は軍事政権に対する1987年の民主化運動の高潮を経て、1990年代に民主化と経済成長を同時に成し遂げた。その間、中国朝鮮族や旧ソ連にいたコリアン(高麗人)、東南アジアからの労働移民、結婚移民が絶え間なくあり、30年ほどの間にその数は200万人を越えた(全人口の4%。2016年現在)。これだけの数の移民は朝鮮半島では未曾有のことで、当然、さまざまな社会問題が起こった。一方、1980年代の韓国の民主化運動の担い手たちは1990年代以降、韓国社会の変容に直面した。賃金の上昇と物質的な豊かさにより一応の福祉国家は達成した。けれども移住労働者の現況を直視すると、1980年代までの社会と余り変わらない。国民国家、韓国の社会と文化はどこに向かうべきなのか。こうした問いに対する回答として選ばれたのが市民組織による活動であった。それは社会的経済の追究でもあり、また映像による自己表現の模索でもあった。本書はそうした活動の一端を伝える。
シンポジウムは「第一部 韓国─東北アジア─東アジア市民」、「第二部 韓国東南アジア─東アジア市民」、「第三部 韓国の代案経済と東アジア市民」からなる。第一部では中央アジア、ロシア沿海州からきた高麗人(金勝力「京畿道安山テッコルと高麗人移住労働」)、韓国を含む華僑の歴史と現在(申明直「中国改革開放前後の華僑華人と移住民政策」)が取り上げられた。第二部では東南アジア各国からの移民の現況が語られた。まず韓国の移民政策の実体が報告された(盧恩明「雇用許可制と市民権の変更」〈発表時の表題〉)。次にベトナム女性の結婚移民と市民権問題(許呉英淑「ベトナムの母娘三代の結婚と韓国」)、またネパール人、カンボジア人の労働移民について、ネパールへの帰国後の問題(李蘭珠「コミュニティと移住労働者の帰還以後」)と韓国でのカンボジア人の暮らしの実態(金二瓚「『地球人の停留場』と農業移住労働者」)が支援の実践に基づいて報告された。移民当事者の訴えは生々しい。彼らには教科書的な「市民権」は縁遠い。だが、これに対する行政の反応は鈍く、国レベルでは無策に近い。それが韓国を含めて「東アジア市民社会」の現実なのかもしれない。第三部ではアジアの貧困への代案としての公正貿易とその韓国での実践が語られた(李康伯「アジアフェアトレードネットワークとパートナー」)。またロシア沿海州の高麗人地域で生産される自然栽培大豆の加工と韓国での流通の現況も報告された(金鉉東「ロシア沿海州の高麗人と社会的企業」)。最後には韓国での「社会的経済運動」の来歴と進展が語られた( 李栄煥「韓国の社会的経済運動とアジア市民社会」)。李栄煥によると、韓国の社会的経済運動に対する認知度はまだ初歩段階で現今の資本主義の代案とはなり得ない。とはいえ、その運動の意義を「過小評価する必要はない」、これらは行き過ぎた資本主義の制動となりうるのであり、その間に人びとは変化に対応していけるだろうと展望した。社会的経済と福祉国家の並行発展こそが韓国社会を変化させる最も重要な要素だという李栄煥の総括が印象に残った。
シンポジウムに終日参席し、真摯な熱い議論を聞きながら日韓の比較をした。行き過ぎた資本主義による競争と拡大する格差、若年層と女性に急増する非正規就労、高齢化社会、移住労働者の生活不適応、受容国側の無理解、これらは日本の現在の問題でもある。ただし、それに取り組む市民社会に温度差がある。日本では、今、東アジア市民社会志向どころか、日本礼賛的な言説が政権の中枢から説かれ、これへの心情的な支持は選挙民の半数に近い。そこには社会的経済や福祉国家への展望はない(安倍政権は2019年に入管難民法を改正(?)して安価な労働力を大量に確保しようとしている。だが、そこには長期的な観点の移民政策は全くない。2018年12月現在)。
総じて日本国民は明治の国権伸張の歴史や江戸情緒の話題は好むが、日中戦争や植民地朝鮮の記憶は遠ざける。専ら関心があるのはいかに「経済成長」の果実を手にするかである。外国人との棲み分けを好み、箱庭的な日本の美しさを誇る。マスメディアの一角では中国の経済的台頭に伴い、中国脅威論が誇張して語られて久しい。そうして、偏狭な国家主義が社会の各所から起こり、ヘイトスピーチをもたらした。それはアジアにおける日本の孤立を促すだけである。これは多文化社会、さらには多文化尊重の次にあるべき調和・統合社会につながる道では決してない。その現今の隘路を克服するひとつとして「東アジア市民社会を志向する韓国」の試みは注目される。ただし同時に、こうした試みには韓国という国民国家の枠を越えた理念が必要である。それは「東アジア共同体」に他ならないが、その前に相互信頼に基づいた「東アジア文化共同体」の醸成が必要だとおもう。
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編著者紹介
編者
申明直(シン・ミョンジク:신명직)
1959年ソウル生まれ。延世大学文学博士(2000)。東京外国語大学の客員教授を経て、現在、熊本学園大学教授(韓国文学・文化)。NPO法人東アジア共生文化センター代表。東アジア共生社会に向けた「東アジア市民共生映画祭」、東アジアフェアトレード活動、学生たちと共に共生ブックカフェ運営等の活動をしている。著書に『幻想と絶望』(2005;韓国語版『モダンボーイ京城を闊歩する〈모던뽀이 경성을 거닐다〉』(2003)、『在日コリアン3色の境界を越えて〈재일코리안 3색 경계를 넘어〉』(2007)、『ガマラマジャイ─ネパールの幼い労働者〈거멀라마자이-네팔의 어린 노동자〉』(2010)など。
執筆者(掲載順)
野村伸一(のむら しんいち)
1949年、東京生まれ。1981年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。専攻は東アジア地域文化研究。現在、慶應義塾大学名誉教授。近年の著書、『東シナ海文化圏──東の〈地中海〉の民俗世界』(講談社、2012年)、編著『東アジア海域文化の生成と展開──〈東方地中海〉としての理解』(風響社、2015年)など。
金勝力(キム・スンニョク:김승력)
1968年ソウル生まれ。秋渓芸術大学文芸創作科卒業(1996)。沿海州の東北アジア平和連帯事務局長、㈳高麗人支援センター「ノモ(超えて:너머)代表などを経て、現在、高麗人センター「ミール(mir:平和・世界)」代表、㈳東北アジア平和連帯理事。中央アジアと沿海州の高麗人の現地および韓国内定着支援活動や韓国内市民社会と高麗人交流事業などをしている。慶應大学と韓国移民史博物館などで高麗人問題に関連した特講をおこなった。
盧恩明(ノ・ウンミョン:노은명)
1959年ソウル生まれ。延世大学英文学科卒業。九州大学大学院法学府(前、法学研究科)修士(2008)、同大学院法学府博士後期課程退学(2016)。現在、熊本学園大学非常勤講師。「東アジア市民共生映画祭」実行委員、「話して見よう 韓国語」熊本大会実行委員として活動し、フェアトレード活動等に参加。主要著作は「日本の出入国管理体制反対運動研究──1969〜71年の日本人の反対運動を中心に」(2009)、「べ平連の反‘入管体制’運動──その論理と運動の展開」(2010)など。
李蘭珠(イ・ランジュ:이란주)
大韓民国で生まれ育ち、1994年に移住労働者と出会い同行を始めた。韓国の「富川外国人労働者の家」で活動し、現在は「アジア人権文化連帯」の活動とともに移住民を含む「村共同体」活動を展開している。著書は『話して、チャンドラー〈말해요 찬드라〉』、『パパ、絶対捕まらないで〈아빠 제발잡히지마〉』、『アンニョン、アジアの友よ(共著)〈안녕 아시아친구야(공저)〉』など。
許吳英淑(ホオ・ヨンスク:허오영숙)
「韓国移住女性人権センター」代表、江陵原州大学多文化学科兼任教授。現場活動家としての
女性運動とその社会的勢力化が主な関心事である。著書は『結婚移住女性の本国の家族支援(결혼이주여성의 본국 가족 지원)(2013)、『受信確認──差別が私に来た(共著)(수신확인: 차별이 내게로 왔다)』(2013)など。
金二瓚(キム・イチャン:김이찬)
ソウル大学法学部を卒業後、ケーブル放送局でプロデューサーとして50本を超える短幕劇を演出。京畿道安山「外国人勤労者支援センター」でビデオ教室を開いた後、独立ドキュメンタリー
を作り始める。現在、安山の移住労働者シェルター「地球人の停留場」代表。韓国農畜産業の移住労働者の実情を初めて公開し、特にカンボジアからの農畜産業界の労働者の支援活動を行っている。監督した映画作品は韓国独立短編映画祭ドキュメンタリー部門最優秀賞受賞作「デモクラシー・イェダボン(데모크라시 예더봉)(2000)、「全泰壹の記憶(전태일의 기억)」(2000)、「同行(동행)」(2003)、「この星で暮らします─地球人の停留場1(이 별에서 살으렵니다-지구인의 정류장1)」(2010)など。
李康伯(イ・ガンベク:이강백)
慶尚南道居昌生まれ、成均館大学哲学科卒業。2001年から「参与連帯」代案社会局部長、「美しい店 아름다운 가게」事務処長、「美しいコーヒー 아름다운 커피」事務処長などを歴任。現在、「韓国公正貿易団体協議会」常務理事、「アジア公正貿易ネットワーク」代表。世界絶対貧困者の3分の2が存在するアジアの貧困問題をアジア人が自ら関心を持ち解決するため、フェアトレード活動に力を入れている。
金鉉東(キム・ヒョンドン:김현동)
1962年江原道原州生まれ。成均館大学社会学科入学(1981)・中退。富川地域金属労組委員長、ウリ民族分ち合い運動対外協力局長、沿海州東北アジア平和基金理事長を経て、現在、社会的企業㈱バリの夢(바리의꿈)代表、東海協同社会経済ネットワーク代表。1996年から中国東北3省とロシア沿海州に移住。韓国入国詐欺被害中国朝鮮族の救済、沿海州高麗人再移住定着の支援、北朝鮮食糧難民救済などの活動をしてきた。現在は、コリアンネットワークを基盤とした東北アジア社会的協同経済圏作りを推進中。著書は『企業別労組の壁を越えて(共著)(기업별노조의 벽을 넘어)』、『中国朝鮮族基礎資料集(編著)(중국조선족기초자료집)』、『南北ロ三角協力農業と高麗人農業(남북러삼각협력농업과 고려인 농업)』など。
李栄煥(イ・ヨンファン:이영환)
1957年慶尚南道密陽生まれ。ソウル大学文学博士(社会福祉学)。仁川YMCA幹事を経て、1990年から聖公会大学社会福祉学科在職中。「参与連帯」社会福祉委員会委員長、「批判と代案のための社会福祉学会」会長、聖公会大学副総長などを歴任。現在、聖公会大学社会的企業研究センター所長、非営利IT支援センター理事長。関心研究分野は社会福祉政策と住居福祉、社会福祉運動および社会的企業と社会的経済など。著書は『韓国社会と福祉政策──歴史とイシュー(한국사회와 복지정책-역사와 이슈)』(2004)、『韓国の社会福祉運動(編著)(한국의 사회복지운동)』(2005)、『フィリピンの社会福祉とNGO(필리핀 사회복지와 NGO)』(2007)など。
翻訳者
浦川登久恵(うらかわ とくえ)
1958年横浜生まれ。早稲田大学第一文学部日本史専攻卒業。高校教諭、予備校講師などを経て、社会人大学院生として熊本学園大学国際文化研究科に学ぶ(修士取得)。現在、熊本大学、熊本学園大学非常勤講師。著書、『評伝 羅蕙錫』(2017)、訳書に『韓国文学ノート(共訳)』(2009)など。
申惠媛(シン・ヒェウォン:신혜원)
1990年ソウル生まれ、2001年より日本在住。東京大学教養学部卒業、同大学大学院総合文化研究科修士課程修了(2015)。現在は同博士課程在籍、日本学術振興会特別研究員(DC1)。社会学を専攻し、主な研究分野は移民研究および都市社会学。主要著作は「『新大久保』の誕生──雑誌が見た地域の変容」『年報社会学論集』29号、2016年など。
金良淑(キム・ヤンスク)
1971 年東京生まれ。立教大学文学部史学科卒業。東京大学人文社会系研究科韓国朝鮮文化研究専攻博士課程中退。現在、立教大学教育講師。論文「韓国の出稼ぎ巫者とトランスナショナルな信仰空間の生成」旅の文化研究所『研究報告』No.18(2009)、「済州島の龍王信仰──堂信仰とチャムスクッ(海女祭)を通して」野村伸一編『東アジア海域文化の生成と展開─〈東方地中海〉としての理解』(2015)など