目次
総論(陳 來 幸)
◆◆第一部 日本華僑の戦後──────◆◆
◆華僑と⽇本の社会運動◆
第一章 戦後日本の社会運動と華僑(安井三吉)
はじめに
一 華僑運動の場としての戦後日本
二 楊春松の死と復活
三 華僑民主促進会と日本の社会運動
四 日中友好協会の創立
五 日本共産党の「五〇年問題」と華僑
六 「廖承志講話」(一九五四年)以後
おわりに
第二章 戦後中国人留日学生団体と日本共産党・中国共産党
──中国留日同学総会執行部と日共中国人細胞(支部)の関係を中心に(荒川 雪)
はじめに
一 戦後留日学生・華僑の団体の乱立と統合過程
二 同学総会の設立と執行部の構成
三 日共在日中国人細胞(支部)と同学総会
おわりに
◆大阪華僑史の再構築◆
第三章 大阪川口居留地と華僑社会の形成(蔣 海 波)
はじめに
一 川口居留地の開設・拡張と清国人
二 関帝廟の再興と清国人避病院の設置
三 清国商人と職人の生態――麦梅生と張法寿の場合
四 商人団体の結成と変遷
おわりに
第四章 戦後大阪神戸における山東幇の生存戦略――山東系中華料理店のビジネスモデルを中心に(上田貴子)
はじめに
一 関西における山東幇
二 関西における中華料理業界
三 関西における北京料理店の客たち
おわりに
第五章 戦後冷戦初期日本の華僑学校の再建をめぐる抗争――国共による争奪戦か地域の競争か(陳 來 幸)
はじめに
一 大阪中華学校バナナ基金成立の経緯
二 一九五〇年代日本における台湾政府の華僑学校補助金
三 神戸中華同文学校への政府補助金と建校資金
おわりに
◆在日台湾人と台湾◆
第六章 戦後在日台湾人の帰国と帰郷(何 義 麟)
はじめに
一 在日台湾人の華僑社会への参入
二 僑団の分裂と国籍登録の統一
三 帰郷と墓参りの長い道のり
おわりに
第七章 中華民国派華僑組織の形成と台湾外省人(一九五〇―六〇年代)
――大陸を去った「日本帝国」と「中華民国」で生きた人びとに注目して(岡野翔太〈葉翔太〉)
はじめに
一 なぜ「中華民国」なのか――本研究の意義
二 横浜学校事件と来日台湾外省人
三 東京および大阪における中華学校の改組と来日台湾外省人校長の任用
四 国民党駐日各支部への「秘書」の派遣と中華学校
おわりに
第八章 東西冷戦期における台湾の“社会福利”(劉 雯)
はじめに
一 日本統治下の台湾社会事業
二 戦後の台湾“社会福利”
三 現代的“社会福利”の進展
おわりに
◆◆第二部 東南アジア華僑の戦後──────◆◆
◆インドネシア◆
第九章 「台湾籍民」から華僑へ――インドネシアの台湾人(一八九五~一九六〇)(鍾 淑 敏)
はじめに
一 台湾籍民と本島人の同胞
二 冷戦下の華人華僑
おわりに
第一〇章 二つの「中国」とジャカルタの華人社会――国民党派の動向を中心に(工藤裕子)
はじめに
一 インドネシア共和国の成立と華人社会の再興
二 北京派と台北派の対立
三 台北派への圧力
おわりに
第一一章 『生活報』に見られる冷戦初期のインドネシア華人と中国(北村由美)
はじめに
一 『生活報』の発刊
二 『生活報』初期の社説
三 『生活報』の発展
おわりに
●コラム① 神戸とジャカルタの二人の「潘」さん――雑貨貿易がつないだ客家系華商の移動と定着(⼯藤裕子)
◆フィリピン◆
第一二章 東南アジアの中国系移民とその子孫に関する親族研究と冷戦――音素的な解釈を越えて(宮原 曉)
はじめに
一 近代化論のコンテクスト
二 冷戦初期の社会人類学的な親族研究
三 標準市場圏
四 音素的な解釈
五 Speech Community
おわりに
●コラム② 「商い」を仕舞うとき――フィリピン賠償貿易と神戸華僑(宮原曉/岡野翔太〈葉翔太〉)
●コラム③ ある⾦⾨⼀族のファミリーネットワーク(陳 來 幸)
◆ベトナム◆
第一三章 一九六三年軍事クーデター直後のサイゴン
――軍事政権の華僑政策に対する華僑社会の期待と不安(岩瀨真央美)
はじめに
一 ジエム政権下の華僑教育政策
二 ズオン・ヴァン・ミン政権下の対華僑教育政策に対する華僑社会の期待
おわりに
◆◆第三部 太平洋を越えて──────◆◆
第一四章 冷戦初期における上海商業儲蓄銀行の海外展開の紆余曲折(易 星 星)
はじめに
一 国民政府下での期待と警戒(一九四五~一九四九年)
二 人民政府の下で「新生」の期待と私営銀行の消滅(一九四九~一九五二年)
三 事業展開を通じた海外への資産移転
四 香港における難局と再生
おわりに
第一五章 ペルー華僑の出入国問題と冷戦期に至る中秘関係(貴志俊彦)
はじめに
一 二〇世紀前半のペルー華僑の状況
二 揺れ動く華僑入国の制限・禁止策
三 大戦直後における華僑出入国管理制度
おわりに
あとがき(陳 來 幸)
参考地図〈アジア諸国の建国と戦後冷戦初期の対立〉
年表〈冷戦期アジア華僑華人関連〉
写真図表一覧
索引〈事項〉
索引〈学校・企業・団体〉
索引〈人名〉
内容説明
マイノリティだった時代
分断の祖国と不安定な在地。明日の見えない世界で活路を求め、血縁や「幇」など様々なつながりをたぐりながら生きた日々。聞き取りと史料から暮らしや社会活動のディテールを掘り起こし、現代に至る人々の「根」を探る。
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はじめに
《陳來幸》
本書『冷戦アジアと華僑華人』は、科学研究費補助事業(基盤研究B)(当初予定平成三〇〜令和三年度:課題番号18H00703)「戦後冷戦初期日本の華僑社会に関する実証的研究:東アジア秩序の再構築」による共同研究調査の成果を世に問うために、出版に至ったものである。
第二次世界大戦終了後、華僑華人の処遇と役割は彼らが居住するそれぞれの国において大きく様変わりしている。戦前戦後の変化を意識し、とくに冷戦初期に焦点をしぼった論考を集めた書籍の出版は日本では初めてのことであろう。冷戦を一九四五年から一九八九年ベルリンの壁の崩壊までとすれば、本稿は一九六〇〜七〇年代までの冷戦前半期をおおよその論述範囲とし、主として戦後直後から冷戦初期の五〇年代を扱っている。冷戦終了後の東アジアでの象徴的できごとである中国の改革開放以降の華僑華人社会の変容までは扱っていない。冷戦初期日本の華僑華人に関して七篇の論考が、東南アジアについてはインドネシア三篇、フィリピン、ベトナム各一篇の論考が収められている。いずれにおいてもマイノリティ集団として存在してきた華僑華人社会が、東西冷戦という国際情勢のなかでどのように複雑な内部対立をかかえつつ、主流社会での生存を図ってきたのかについて言及されている。その他関連するテーマを扱ったものが三篇である。
ロシアのウクライナ侵攻後、「新冷戦」という言葉が登場した。世界秩序がふたたび大きく変わろうとしている。戦後冷戦の時代と現在では状況が異なるが、すこしでも過去から学びとることがあればいいと考えた。グローバルな意味での相互理解という点から見れば、戦後冷戦からの脱却で果たしたマイノリティ集団の社会的存在意義は大きい。その点に将来への展望を持っている。
本書の作成には目次に名前を並べることができた論者だけでも筆者を含め一五名の歴史学・社会人類学・メディア学・法学の専門家たちが結集した。そのため、各章の論文の体裁は一様ではない。原典引用の注記を充実させるが引用文献一覧表をつけない歴史学論文と文中注記が豊富で、充実した引用(参考)文献一覧をつける社会学・人類学系の論文が混在している。論文の作法の違いによるところもあるが、執筆者には形式の統一を求めずに思う存分慣れた方法で執筆してもらった。体裁に関しては最低限の調整を行ったにすぎない。そのため、読者には読みづらい点があることをお許し願いたい。また、最終的にかなりの頁数になったので、参考文献一覧の内容を縮小して引用文献一覧にしていただく失礼なお願いも最後にせざるを得なかった。このことの責めはひとえに私が負わなければならない。
学問領域の作法の違いがほかの点でも鮮明に浮かび上がった。本書は全篇にわたって人名には敬称を省略させていただいている。しかしながら、本書に収録された三つのコラムは「総論」に詳しく説明があるとおり、神戸在住の三人の華商のインタビューを収録しているが、宮原コラムは人類学の流儀に従い、インフォーマントには仮称を用い、「福」さんとしている。福建省出身のインフォーマントを、仮に「福」さんとしているのは容易に想像がつくが、一律敬称は省略するというルールを当てはめては、どう考えても不自然な表現となってしまう。そのため、工藤と陳がまとめた残る二つのコラムのインフォーマントは、「福」さんにならい、敬称を使っている。歴史学の流儀に従えば、実名を出さねばインタビューに意味付けができなくなるので、潘(播)さんにも、ベニーさんにも、黄さんにも実名の使用を承諾いただき、原稿にも目を通してもらって不都合な部分は削除を加えた。
思いかえせば、前回の科学研究費補助事業基盤研究C(平成二五〜二七年課題番号25370836)「国際比較からみた戦後日本華僑社会の構造的再編」最終年度の締めくくりの二〇一六年一月に、神戸の中華会館東亜ホールでシンポジウムを開いたことが本書作成のきっかけであった。当時は北米の華僑華人社会との比較の視点を加味した調査に基づき戦後日本華僑社会の変容についての知見を披露したが、シンポジウムにはフィリピン華人とインドネシア華人の研究者である宮原曉と北村由美をコメンテーターに招きした。お二人のコメントから、アジアを含めたより広い視点からの研究が必要であることを痛感した。その後、二〇一八年から二〇二二年春までの当初四年間の予定で「戦後冷戦初期日本の華僑社会に関する実証的研究──東アジア秩序の再構築」をテーマとする調査研究が始まり、五年度目の最後に、本書の刊行が日の目を見た。朝鮮半島についての調査研究は諸条件からやむなく途中で断念した。また、多くの人文社会科学領域の研究と同様、われわれの研究も、海外調査や海外メンバーとのディスカッションはコロナ禍の影響で充分には推進できなかったが、そのかわり、研究期間を繰越すことによって予定していたよりも個々人の研究分析やまとめには時間を割くことはできたのではないかと思う。論点の詳細は「総論」に譲るが、本書の刊行によって、まがりなりにもアジア範囲での比較検討ができる素材は提供できたかと思う。
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編者紹介
陳 來幸(ちん らいこう CHEN Laixing)
1956年神戸生まれ。
1986年神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。
専攻は歴史学、華僑華人研究。
現在、ノートルダム清心女子大学教授。兵庫県立大学名誉教授。
主な業績として、『近代中国の総商会制度:繋がる華人の世界』(京都大学学術出版会、2016年)、『交錯する台湾認識:見え隠れする「国家」と「人びと」』(勉誠出版、共編、2017年) 、中華会館編『落地生根:神戸華僑と神阪中華会館の百年』(研文出版、共著、2000年)など。
執筆者紹介(掲載順)
安井 三吉(やすい さんきち)
1941年生まれ。
1972年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学(文学修士)。
専攻は東洋史学(中国近現代史)。
現在、神戸大学名誉教授。
主な業績として、 『神戸と華僑:この150年の歩み』(神戸新聞総合出版センター、2004年、共編著)、『帝国日本と華僑:日本・台湾・朝鮮』(青木書店、2005年、単著)、 『落地生根:神戸華僑と神阪中華会館の百年《増訂版》』(研文出版、2013年、共編著)など。
荒川 雪(あらかわ ゆき)
1976年生まれ。
2006年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程修了。博士(政策・メディア)。
専攻は中国外交史、教育史、メディア史。
現在、東洋大学社会学部教授。
主な業績として、『改革開放後中国留学政策研究』(世界知識出版社、2009年)、『戦後日中関係と廖承志』(慶應義塾大学出版会、2013年、編著)、『変容する中華世界の教育とアイデンティティ』(国際書院、2017年、共編著)など。
蔣 海波(しょう かいは)
1963年生まれ。
2002年 神戸大学大学院博士課程修了。博士(学術)。
専攻は日本華僑史、日中文化交流史。
現在:孫文記念館主任研究員
主な業績として、 『張友深関係文書:近代大阪華僑史料集』(神戸華僑歴史博物館、2020年、編著)、『孫中山与日本関係人名録』(中国社会科学出版社、2017年、翻訳)。「『東亜報』解題」(日本神戸東亜書局編『東亜報』全編、国家図書館出版社、2021年)。
上田貴子(うえだ たかこ)
1969年生まれ。
2003年、大阪外国語大学大学院言語社会研究科博士課程修了。博士(学術)。
専攻は歴史学、中国近現代史。
現在、近畿大学文芸学部教授。
主な業績として『奉天の近代』(京都大学学術出版会、2018年)、論文として「奉天・大阪・上海における山東幇」(『孫文研究』54号、2014年)、「哈爾濱の日本人:1945年8月-1946年9月」(山本有造編『満洲:記憶と歴史』京都大学学術出版会、2007年)など。
何 義麟(か ぎりん)
1962年生まれ。
1999年東京大学大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。
専攻は国際社会科学。
現在、国立台北教育大学台湾文化研究所教授。
主な業績として、『二・二八事件:「台湾人」形成のエスノポリティクス』(東京大学出版会、2003年)、『台湾現代史:二・二八事件をめぐる歴史の再記憶』(平凡社、2014年)、論文として、「戦後在日台湾人の法的地位の変遷:永住権取得の問題を中心として」(『現代台湾研究』45号、2014年12月)、「GHQ占領期における在日台湾人の出版メディアと言説空間」(『日本台湾学会報』17号、2015年8月)など。
岡野 翔太(おかの しょうた)
1990年生まれ。
2022年大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。
専攻は華僑華人研究、現代台湾研究、近現代中国史。
台湾名は葉翔太。
現在、大阪大学レーザー科学研究所特任研究員、大阪大学大学院人文学研究科招へい研究員。
主な業績として、『交錯する台湾認識:見え隠れする「国家」と「人びと」』(勉誠出版、2016年、共編著)、『帝国のはざまを生きる:交錯する国境、人の移動、アイデンティティ』(みずき書林、2022年、共著)、論文として、「一九六〇年代日本『神戸台湾同郷会』的去殖民化之路:在「去政治化」与「被汚名化」之間」(『台湾史学雑誌』29号、2020年)など。
劉 雯(りゅう ぶん LIU Wen)
1986年生まれ。
2018年兵庫県立大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。
専攻は経済史、華僑華人研究。
現在、大阪経済法科大学経済学部准教授。
主な業績として、『交錯する台湾認識』(勉誠出版社、2016年、共著)、『孫文とアジア太平洋』(汲古書院、2017年、共著)など。論文として、「中華人民共和国建国に伴う宣教師のディアスポラ:冷戦初期台湾におけるキリスト教界の再編を中心に」(『中国研究月報』72巻3号、2018年)など。
鍾 淑敏(しょう しゅくびん CHUNG Shumin)
1960年生まれ。
1996年東京大学大学院人文社会研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
専攻は歴史学。
現在、中央研究院台湾史研究所研究員。
主な業績として、『日治時期在南洋的臺湾人』(中央研究院台湾史研究所、2020年)、「二戰後臺灣人BC級戰犯之救援」『從臺灣與朝鮮反思日本的殖民統治』(中央研究院台湾史研究所、2021年、共著)、論文として「二戰時期臺灣人印度集中營拘留記」(『臺灣史研究』24巻3号、2017年)など。
工藤 裕子(くどう ゆうこ)
1967年生まれ。
2014年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
専攻は歴史学。
現在、東洋文庫研究員。
主な業績として、『アドゥー サバール プルダニア:実録インドネシア日系合弁銀行の50年』(エヌ・エヌ・エー、2008年、共著)、論文として、「オランダ領東インドの客家系商人:20世紀初頭の事業展開とアジア域内ネットワークを中心に」(『華僑華人研究』18号、2021年)、「蘭領東インドにおけるオランダ系銀行の対華商取引:ジャワ糖取引と1917年砂糖危機を中心に」(『社会経済史学』79巻3号、2013年)など。
北村 由美(きたむら ゆみ)
1972年生まれ。2010年一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了。博士(学術)。
専攻は東南アジア地域研究、図書館情報学。
現在、京都大学附属図書館研究開発室准教授。
主著書として、『インドネシア 創られゆく華人文化:民主化以降の表象をめぐって』(明石書店、2014年)、論文として、「教会にかかる虹:インドネシアキリスト教会と性的少数者」『東南アジアと「LGBT」の政治』(日下渉・青山薫・伊賀司・田村慶子編、明石書店、2021年)、“Parallel Development: Southeast Asian Studies and Library Collections” States and Societies in Motion: Essays in Honour of Takashi Shiraishi(Khoo Boo Teik, Jafar Suryomenggolo ed., NIAS Press, 2021)など。
宮原 曉(みやばら ぎょう)
1964年生まれ。
1997年東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(社会人類学)。
専門は社会人類学、マイナー文学研究。
現在、大阪大学大学院人文学研究科、及び先導的学際研究機構教授。
主な業績として、『東南アジア地域研究入門 社会』(慶應大学出版会、2017年、編著)、「『チノイ』をめぐる想像と挑戦:中国系フィリピン人とフィリピン国民国家の関係をめぐって」(『社会人類学年報』23号、1997年)、「ポスト・マルコス期のセブにおける中国人問題の新たな展開:1988年の市長選挙をめぐって」(『華僑華人研究』5号、2008年)など。
岩瀨 真央美(いわせ まおみ)
1973年生まれ。
2001年名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程修了。博士(学術)。
専攻は国際経済法、ベトナム法。
現在、兵庫県立大学国際商経学部教授。
主な業績として、『投資協定における投資の保護:現地子会社の取り扱いを中心に』(大学教育出版、2004年)、『新版 国際関係法入門 第二版』(有信堂、2021年、共著)、論文として、“Legal Education in Vietnam’s Universities and Faculties from the Perspective of a Socialist State Ruled by Law”(『アジア法研究2018』12号、2019年)、「アジア地域経済統合と国内投資法制の整備」(『日本国際経済法学会年報』30号、2021年)など。
易 星星(えき せいせい YI Xingxing)
1986年生まれ。
2020年兵庫県立大学大学院経済学研究科博士課程、博士(経済学)。
専攻は中国経済史、アジア経済史、近代中国旅行業と上海商業儲蓄銀行研究。
現在、兵庫県立大学国際商経学部准教授。
主な業績として、「中国国内における中国旅行社のネットワーク展開(1923-1949年)」(『現代中国研究』第38号、2016年)、「南洋における中国旅行社のネットワーク展開と華僑華人(1937-1945年)」(『華僑華人研究』第14号、2017年)、「東アジアにおける中国旅行社と上海商業儲蓄銀行の海外進出(1923-1937年)」(『社会経済史学』第85巻第1号、2019年)など。
貴志 俊彦(きし としひこ)
1959年生まれ。
1993年広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。
現在、京都大学東南アジア地域研究研究所教授、東京大学大学院情報学環客員教授。
専攻は東アジア近現代史、東アジア地域研究。
主な業績として、『帝国日本のプロパガンダ:「戦争熱」を煽った宣伝と報道』(中央公論新社、2022年)、『アジア太平洋戦争と収容所:重慶政権下の被収容者の証言と国際救済機関の記録から』(国際書院、2021年)、『日中間海底ケーブルの戦後史:国交正常化と通信の再生』(吉川弘文館、2015年)、『東アジア流行歌アワー:越境する音 交錯する音楽人』(岩波書店、2013年)など。