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韓国朝鮮の文化と社会 16

韓国朝鮮の文化と社会 16

特集=制度と個人(あるいは行為者)をはじめ、人類学・歴史学の論文、資料、エッセイ。

著者 韓国・朝鮮文化研究会
ジャンル 定期刊行物
シリーズ 雑誌 > 韓国朝鮮の文化と社会
出版年月日 2017/10/15
ISBN 9784894899667
判型・ページ数 A5・282ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

特集=韓国朝鮮社会と記録・記憶の諸相

〈問題提起〉
 特集=制度と個人(あるいは行為者)  本田 洋

〈特集論文〉
 朝鮮時代後期請願文書のなかの移来者
   ――他邑からの居住地移動にともなう課役紛争事例の検討  山内民博

 第二次朝鮮教育令施行期(一九二二年〜一九三八年)の
     高等普通学校・女子高等普通学校における「国語」教育  崔誠姫

 北朝鮮における社会主義体制と非公式領域
   ──社会制度と属人主義の論点から   伊藤亜人

〈論文〉
 迷信と巫俗――韓国における民俗文化への視線との関連から  新里喜宣

 朝鮮民俗学の実践論――宋錫夏の郷土芸術・娯楽論を中心に  金廣植

 韓国社会の教育熱に関する教育社会学的分析――母親のライフヒストリーを手がかりに  柳煌碩
〈書評〉
 本田洋著 『韓国農村社会の歴史民族誌――産業化過程でのフィールドワーク再考』  嶋陸奥彦

 中村一成著『ルポ 思想としての朝鮮籍』  浮葉正親

〈視点〉
 朝鮮半島の積極的平和を考える  野村伸一

〈ひろば/マダン〉
 韓国における柳田國男の研究  金容儀

〈エッセイ〉
 安山ワールドカップ  嶋陸奥彦
 小泉文夫の録音資料のなかの羅錦秋を聴く  神野知恵


〈彙報〉
 編集後記
 韓国・朝鮮文化研究会会則 
 英文目次・ハングル目次
 執筆者一覧

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内容説明

特集=制度と個人(あるいは行為者)

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      序──制度と個人(あるいは行為者)  本田 洋  より





 この特集は、韓国・朝鮮文化研究会第一七回研究大会シンポジウム「制度と個人(あるいは行為者)」(二〇一六年一〇月二二日、明星大学にて開催)の報告者三名の書き下ろし論文からなる。ただしその内容は、当日の発表内容にほぼ忠実なものもあれば、シンポジウムでの討議を踏まえて論旨を組み換えたもの、さらには、新たな論点と資料を補って、テーマにより即した議論を展開したものまである。特集の序として位置づけられる本編では、シンポジウムの成果を踏まえて趣旨説明を改稿したうえで、特集論文の紹介を行うことにしたい。

    一 制度に向き合う行為主体――趣旨説明改稿

 シンポジウムでの報告とコメント・討議を踏まえたうえで筆者なりに整理しなおせば、本シンポジウムの趣旨は、制度と個人的/集合的行為者との関係に着目しつつ韓国朝鮮社会の歴史・民族誌資料を比較対照することを通じて、制度に向き合う行為主体、その制度と権威への交渉的な関わり方に焦点を合わせた記述・分析の可能性を検討することにあった。以下、制度と行為主体性についての基本的な概念規定とシンポジウムの趣旨説明で設定した論点の確認をしたうえで、本特集での論点を提示しなおしたいと思う。……


2 シンポジウム「趣旨説明」の論点
 シンポジウムの趣旨説明では、制度と行為者との関係、あるいは制度への向き合い方における被拘束性と主体性を、以下に整理するような諸条件のもとに展開されるある種の主体構築として捉えることを課題として提示した。

①公式の制度・権威と非公式的・私的領域の相互浸潤
②極限的・流動的な生の営みにおける制度の利用・流用と実践的な知識・技術の構築
③制度への向き合い方における性別、身分・階級(学歴・職業)、出身・居住地域、民族・エスニシティ、あるいは権力の中心からの距離による差異
④異質な制度群の接触状況、あるいは異質な制度間の渡り歩きにおける諸制度の拘束性と行為者の主体性

……
 

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執筆者一覧(掲載順)

本田  洋 東京大学大学院人文社会系研究科教授
山内 民博 新潟大学人文学部准教授
崔 誠 姫 一橋大学大学院社会学研究科 特別研究員
伊藤 亜人 東京大学名誉教授
新里 喜宣 日本学術振興会海外特別研究員
金 廣 植 日本学術振興会特別研究員PD
柳 煌 碩 東京大学大学院教育学研究科博士後期課程
嶋 陸奥彦 東北大学名誉教授
浮葉 正親 名古屋大学国際機構国際言語センター教授
野村 伸一 慶應義塾大学名誉教授
金 容 儀 全南大学校 人文大学 日語日文学科 教授
神野 知恵 東京藝術大学大学院音楽研究科 専門研究員

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