目次
特集にあたって 土居 浩
自然葬の表象のアリーナから
─『We Don’t Need a Grave』をめぐる映像人類学的実践 金セッピョル
韓国における葬送儀礼の変遷とその意味 宋炫同(翻訳:浮葉正親)
日本における医療化と病院における死の扱い
─韓国との比較から 中本剛二
変化し続けてきた近代日本の葬儀
─韓国における近年の変化を念頭に 土居 浩
【論文】
活動人形とその担い手
─横断する近代の地方芸能 薗田 郁
清末民初の中国における「東洋髻」の起源と流行 劉玲芳
「島嶼性」による島の社会関係とその変化
─沖縄県浜比嘉島の架橋化を事例として 前畑明美
【書評】
『京の筏──コモンズとしての保津川』──手塚恵子·大西信弘·原田禎夫編 金 容儀
『擬人化と異類合戦の文芸史』──伊藤慎吾著 永原順子
執筆者紹介
彙報
英文要旨
編集後記
内容説明
国際的・学際的視野からの日本文化研究・人間文化研究のための研究・交流の場となることを目指して創刊。11号からはより開かれた雑誌を目指しリニューアル。特集:葬送と死生観の変化をめぐる日韓比較研究の試み
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執筆者紹介(a所属 b主要著書・論文 c専攻)
土居 浩(どい・ひろし) ①ものつくり大学 准教授 ②「都市で死者はいかに扱われるべきか」(『国立歴史民俗博物館研究報告』二〇五、二〇一七年)、「異常死者葬法の習俗をめぐって」(村上興匡・西村明編『慰霊の系譜』森話社、二〇一三年)③生活学(民俗学/地理学)・日常意匠研究
金セッピョル(きむ・せっぴょる) ①人間文化研究機構・総合地球環境学研究所 特任研究員・特任助教 ②「不可視化した葬送儀礼としての自然葬」(『宗教と社会』二三、二〇一七年)、「政治イデオロギー的表象としての自然葬―─システムを超えて」(『日本批評』一八、二〇一八年)(韓国語) ③文化人類学
宋炫同(そん・ひょんどん) ①韓国・建陽大学校グローバルホテル観光学科副教授 ②「韓国新宗教の文化観光コンテンツの潜在性に対する研究」(『新宗教研究』三七、二〇一七年)、「観光地開発に対する批判的考察――全州韓屋マウルの事例を通して」(『韓国外食産業学会誌』一三─一、二〇一七年)(ともに韓国語) ③宗教学
浮葉正親(うきば・まさちか) ①名古屋大学国際機構国際言語センター教授 ②「韓国における男巫の異性装とその歴史的背景」(服部早苗・新實五穂編『歴史のなかの異性装』 勉誠出版、二〇一七年)、「異人論からみた韓国の巫俗―─ソウルの村祭りを中心に」(山泰幸・小松和彦編『異人論とは何か―ストレンジャーの時代を生きる』ミネルヴァ書房、二〇一五年)③文化人類学・民俗学
中本剛二(なかもと・ごうじ) ①大阪薬科大学、天理大学ほか非常勤講師 ②『出産の民俗学・文化人類学』(共著、勉誠出版、二〇一四年)、「医療人類学の実践―─フィールドワークと医療教育」(『大阪薬科大学紀要』九、二〇一五年) ③文化人類学(医療人類学)・民俗学
薗田 郁(そのだ・いく)①京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター非常勤講師(特別研究員) ②「猿倉人形の成立に関する一考察――『鑑鉄和尚』の成立状況をめぐって」(『民族藝術』第二八号、二〇一二年)、「文弥節と佐渡の文弥人形」(『民族藝術』第三二号、二〇一六年) ③音楽学、芸能史(近代)
劉玲芳(りゅう・れいほう) ①大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程3年/学術振興会特別研究員(DC) ②「一九二〇─三〇年代における日本の文化人と「支那服」」(『比較文化研究』一二五、日本比較文化学会、二〇一七年)、「『東遊日記』に描かれた日本人の身装文化―─日清修好条規の調印から日清戦争の勃発前までの時期を中心に」(『間谷論集』第一一号、日本語日本文化教育研究会編集員会、二〇一七年)③日本語・日本文化
前畑明美(まえはた・あけみ) ①法政大学兼任講師、同沖縄文化研究所 ②『沖縄島嶼の架橋化と社会変容─島嶼コミュニティの現代的変質』(御茶の水書房、二〇一三年)、「国内島嶼における再生可能エネルギー開発の動向」(国立国会図書館調査及び立法考査局調査報告書『再生可能エネルギーをめぐる諸相』所収、二〇一四年) ③地理学・島嶼政策論
金容儀(きむ・よんうぃ) ①韓国・全南大学校人文大学日語日文学科教授 ②『先祖の話』(柳田國男著、韓国語翻訳、全南大学校出版部、二〇一六年)、『日本の相撲――儀礼なのかスポーツなのか』(韓国語)(民俗苑、二〇一四年) ③民俗学、韓日比較文化
永原順子(ながはら・じゅんこ) ①大阪大学大学院言語文化研究科助教 ②「能に現れる怨霊」(『妖怪文化の伝統と創造―─絵巻・草紙からマンガ・ラノベまで』せりか書房、二〇〇九年)、「擬人化の原点について──見えないものを「見る」こと」(『進化する妖怪文化研究』せりか書房、二〇一七年)