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韓国朝鮮の文化と社会 18

韓国朝鮮の文化と社会 18

特集=コンテンツ時代における文化財 をはじめ、人類学・歴史学の論文、資料、エッセイ。

著者 韓国・朝鮮文化研究会
ジャンル 定期刊行物
シリーズ 雑誌 > 韓国朝鮮の文化と社会
出版年月日 2019/10/15
ISBN 9784894899681
判型・ページ数 A5・304ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

特集=コンテンツ時代における文化財

〈問題提起〉 辻 大和

〈特集論文〉
 
鳳山仮面劇と民俗芸能の資源化 金 廣 植

 弊習・民俗・文化財――済州島在来文化をめぐる相克 丁田 隆


論文
 
 旧韓末における養子制度の運用実態――新聞記事の分析を中心に 田中美彩都

 「朝鮮雅楽」の公開演奏
   ――朝鮮神宮例祭における奉納の事例を中心に 武藤 優

 朝鮮戦争下における韓国軍傷痍軍人の生活体験と暴動 森田和樹

 東アジア文化共同体に向けて――韓国民衆文化の視点から 野村伸一

本の紹介

 金成玟著『K-POP―― 新感覚のメディア』 三ツ井 崇

展評

 大高麗 九一八―二〇一八――その絢爛たる挑戦 川西裕也

 近代を通して古美術を見る――澗松美術館の「大韓コレクション」展 田代裕一朗

エッセイ

潭陽俛仰亭と瀟灑園――朝鮮士人と亭子文化(二) 長森美信

金日成主席始祖墓訪問記 野崎允彦

彙報

 編集後記
 英文目次・ハングル目次
 執筆者一覧

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内容説明

特集=コンテンツ時代における文化財

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      【問題提起】コンテンツ時代における文化財  辻 大和  より


……

 以上でみてきたように、韓国における「文化財」コンテンツは多様に展開している。河回タルノリは、観光客が年中来ても大丈夫なように、毎週公演されており、その場では国際的な歩みと、多言語による説明が行われている。韓屋ステイでは、復元された伝統家屋で、現代人が生活上大きな不便を感じることなく韓屋での宿泊体験を積むことができる。政府の文化原型コンテンツでは多くの経済的な支援が、原型コンテンツ制作および応用展開に対して行われ、実績をあげてきたことが分かっている。

 もちろんこうした、「文化財」の現代的展開は韓国に限られたことではない。ホブズボウム・レンジャー編『創られた伝統』の各論考が指摘するように、世界各地に、近代以降に再構成、創出された「伝統」が存在する。ただ、ホブズボウムらの関心にもあるように、なぜそのような「伝統」ができたのか、その形成過程を見ることは、近現代の諸社会の変容過程を観察することにもなる。

 それでは、韓国「文化財」コンテンツは、韓国のどのような地域、時代のものを対象に資源化されたのか。どのような「文化財」が選好され(逆に選好されなかったものはなにか)、どのように変容したのか。現代において特定の「文化財」コンテンツが流通して二次創作されることで、特定の「文化財」認識が変容することは頻繁にある。そのなかで近現代の「文化財」化のあり方を問い直すことには、こうした認識の変容に対し、警鐘を鳴らす作業になると考えられる。またその問い直しは、「文化財」をとりまく韓国社会の変容の一端を垣間見ることにもなろう。

 こうした構想をもとにシンポジウムを企画することになったが、二〇一八年一〇月のシンポジウムでは金廣植氏「朝鮮民俗学会と『民俗』の『文化財』化」、丁田隆氏「〈未開な風習〉が文化財になるとき――済州島巫俗の受難と栄光」、金賢貞氏「韓国の登録文化財制度と『日帝残滓』の資源化」として、発表していただいた。そのうち金賢貞氏の報告の掲載はかなわなかったが、金廣植氏と丁田隆氏の報告については本号掲載の論文をご覧いただきたい。

……
 

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執筆者一覧(掲載順)

辻  大和 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院/都市科学部 准教授
金 廣 植 立教大学 非常勤講師
丁田  隆 昌原大学校日語日文学科 客員教授
田中美彩都 九州大学大学院人文科学府博士後期課程
武藤  優 本会会員
森田 和樹 同志社大学大学院社会学研究科博士前期課程
野村 伸一 慶應義塾大学 名誉教授
三ツ井 崇 東京大学大学院総合文化研究科 准教授
川西 裕也 新潟大学大学院現代社会文化研究科 助教
田代裕一朗 東京藝術大学美術学部芸術学科 教育研究助手
長森 美信 天理大学国際学部 教授
野崎 充彦 大阪市立大学大学院文学研究科 教授

 

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