目次
特集について─比較日本文化研究という視座 (安井眞奈美)
【第一部】変わりゆく社会を追って
「移動する子ども」というフィールド (川上郁雄)
出産と妊産婦・胎児の死─四半世紀の研究(一九九五―二〇二〇) (安井眞奈美)
地域おこし研究の変遷と展望 (松村薫子)
民俗文化の表象批判からその実践へ─ビジュアル・メディアの可能性と課題 (川村清志)
私の相互唱(歌の掛け合い)研究 (手塚恵子)
【第二部】妖怪・怪異研究の進展
妖怪研究の四半世紀 (香川雅信)
妖怪文化を地理学的に考える (佐々木高弘)
「護法信仰論覚書」後 (徳永誓子)
近世史研究から見た怪異 (木場貴俊)
【研究ノート】
怪異伝承と水難事故との関わり─日本およびASEAN諸国での調査をもとに (永原順子)
安倍晴明伝説地の四半世紀・覚書 (佐藤香里・土居浩)
【第三部】人文社会科学の半世紀を語る
座談会 文化人類学・民俗学の半世紀を振り返って
(須藤健一・渡邊欣雄・小松和彦) (聞き手・編集 安井眞奈美)
執筆者紹介
彙報
英文要旨
【20号の歩み】
『比較日本文化研究』の休刊にさいして (橘弘文)
研究会記録
運営委員・会長・編集委員一覧
総目次
全号執筆者索引
英文総目次
編集後記
内容説明
国際的・学際的視野からの日本文化研究・人間文化研究のための研究・交流の場となることを目指して創刊。本号をもって休刊。特集:人文社会科学の四半世紀を振り返る
*********************************************
執筆者紹介(a所属 b主要著書・論文 c専攻)
安井眞奈美(やすい・まなみ)①国際日本文化研究センター教授 ②『怪異と身体の民俗学――異界から出産と子育てを問い直す』(せりか書房、二〇一四年)、(編著)『グリーフケアを身近に――大切な子どもを失った哀しみを抱いて』(勉誠出版、二〇一八年) ③日本民俗学、文化人類学
川上郁雄(かわかみ・いくお)①早稲田大学国際学術院教授 ②『越境する家族――在日ベトナム系住民の生活世界』(明石書店、二〇〇一年)、(共編著)『移動とことば』(くろしお出版、二〇一八年) ③文化人類学、「移動する子ども」学
松村薫子(まつむら・かおるこ)①大阪大学日本語日本文化教育センター・大阪大学大学院言語文化研究科日本語日本文化専攻准教授 ②『糞掃衣の研究』(法蔵館、二〇〇六年)、(共編著)『民俗学読本――フィールドワークへのいざない』(晃洋書房、二〇一九年) ③日本民俗学
川村清志(かわむら・きよし)①国立歴史民俗博物館准教授 ②『明日に向かって曳け――石川県輪島市皆月山王祭の現在』(DVD監督、二〇一六年)、「移動する身体と故郷の物語の行方」『国立歴史民俗博物館研究報告』一九九(二〇一六年)、川村清志・倉本啓之編『石川県輪島市山王祭フォトエスノグラフィー 準備編』(二〇一八年) ③日本民俗学
手塚恵子(てづか・けいこ)①京都先端科学大学人文学部教授②『中国広西壮族歌垣調査記録』(大修館書店、二〇〇二年)、『歌を掛け合う人々――東アジアの歌文化』(三弥井書店、二〇一七年)、橘弘文・手塚恵子編『文化を映す鏡を磨く』(せりか書房、二〇一八年) ③文化人類学
香川雅信(かがわ・まさのぶ)①兵庫県立歴史博物館学芸員 ②『江戸の妖怪革命』(河出書房新社、二〇〇五年)、『立体妖怪図鑑 モノノケハイ』(KADOKAWA、二〇一六年) ③日本民俗学
佐々木高弘(ささき・たかひろ)①京都先端科学大学人文学部教授 ②『神話の風景』(古今書院、二〇一四年)、『生命としての景観』(せりか書房、二〇一九年) ③文化・歴史地理学
木場貴俊(きば・たかとし)①国際日本文化研究センタープロジェクト研究員 ②『怪異をつくる』(文学通信、二〇二〇年)、「怪異が生じる場――天地と怪異」『この世のキワ〈自然〉の内と外(アジア遊学二三九)』(勉誠出版、二〇一九年) ③日本近世文化史
徳永誓子(とくなが・せいこ)①岡山大学大学院社会文化科学研究科准教授 ②「修験道の成立」時枝務・林淳 他編『修験道史入門』(岩田書院、二〇一五年)、「日本中世生霊試論」吉川真司・倉本一宏編『日本的時空間の形成』(思文閣出版、二〇一七年) ③日本中世史
永原順子(ながはら・じゅんこ)①大阪大学大学院言語文化研究科講師 ②「擬人化の原点について――見えないものを「見る」こと」小松和彦編『進化する妖怪文化研究』(せりか書房、二〇一七年)、「フィリピンにおける水難事故と怪異伝承との関わり」『季刊ういてまて』一三(水難学会、二〇一八年) ③日本文化論、宗教民俗学
佐藤香里(さとう・かおり)①ものつくり大学建設学科二〇二〇年三月卒業 ②卒業論文「顕れる伝説地・隠れる伝説地―安倍晴明伝説を事例として」 ③日常意匠研究
土居浩(どい・ひろし)①ものつくり大学教授 ②「変化し続けてきた近代日本の葬儀」『比較日本文化研究』一九(二〇一九年)、「都市で死者はいかに扱われるべきか」『国立歴史民俗博物館研究報告』二〇五(二〇一七年) ③生活学(民俗学/地理学)、日常意匠研究
渡邊欣雄(わたなべ・よしお)①元國學院大學教授、東京都立大学名誉教授、中国華中師範大学客員教授 ②『民俗知識論の課題――沖縄の知識人類学』(凱風社、一九九〇年)、『風水の社会人類学――中国とその周辺比較』(風響社、二〇〇一年) ③社会人類学、沖縄民俗学、文化地理学
須藤健一(すどう・けんいち)①堺市博物館長 ②『オセアニアの人類学』(風響社、二〇〇八年)、(編著)『グローカリゼーションとオセアニアの人類学』(風響社、二〇一二年)、「ミクロネシアのカヌーづくりの伝統」秋道智彌・印東道子編『ヒトはなぜ海を越えたのか――オセアニア考古学の挑戦』(雄山閣、二〇二〇年) ③オセアニア地域の文化人類学研究
小松和彦(こまつ・かずひこ)①国際日本文化研究センター名誉教授 ②『鬼と日本人』(KADOKAWA、二〇一八年)、『カラー版 重ね地図で読み解く京都の「魔界」』(宝島社、二〇一九年)、『神になった日本人』(中央公論新社、二〇二〇年)他 ③文化人類学、日本民俗学
橘弘文(たちばな・ひろふみ)①大阪観光大学観光学部教授 ②「開かれた儀礼と伝説――矢代の手杵祭をめぐって」橘弘文・手塚恵子編『文化を映す鏡を磨く』(せりか書房、二〇一八年) ③民俗学