台湾原住民研究 26
台湾先住諸族の研究誌。論文・資料・調査報告・エッセイなどを含む関連情報の拠点。
著者 | 日本順益台湾原住民研究会 編 |
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ジャンル | 定期刊行物 |
シリーズ | 雑誌 > 台湾原住民研究 |
出版年月日 | 2022/11/20 |
ISBN | 9784894898400 |
判型・ページ数 | A5・246ページ |
定価 | 本体3,000円+税 |
在庫 | 在庫あり |
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目次
台湾における災害復興と宗教:八八水害後のブヌン村落(山西弘朗)
現代台湾原住民社会における民族文化教育(1)
:ブヌン(布農族)を主体とした公設民営実験学校の事例から(石垣 直)
[研究ノート]
田信徳 タロコ受難記:1. Prajing Sduuy Kari Yisu ni Gmarang Kari (信教の始まりと伝道)
2. Prajing Hmtur ni Tmraqil Snhiyi(信仰の禁止と迫害の始まり)テキストと注(月田尚美)
山田仁史さんの自然観:台湾原住民研究を中心に(蛸島 直)
第二次世界大戦後初期の台湾原住民族研究:日本の人類学に視点を置いて(その1)(笠原政治)
台湾原住民族のイレズミに関する研究史と文献目録(山本芳美)
[報告]
鈴木満男写真資料の寄贈について:移管の経緯と資料の概要(清水 純)
第14 回日台原住民族研究フォーラム参加記(山本芳美)
在日台湾原住民連合会の「豊年祭」:コロナ禍でのイベントに参加して(荻原まき)
[追悼文]
台湾映像民族誌の先駆者 胡台麗先生(原 英子)
[書評・本の紹介]
『日本語と華語の対訳で読む 台湾原住民の神話と伝説』上・下巻(魚住悦子)
Senri Ethnological Studies 103 Environmental Teachings for the Anthropocene:
Indigenous Peoples and Museums in the Western Pacific(東村純子)
『都市残酷』(田本はる菜)
『台湾原住民族研究の足跡』(坂野 徹)
[彙報]
執筆要領・執筆細則(2019/11/20 改訂)
編集後記
内容説明
台湾先住諸族の研究誌。漢化と近代化の波に呑まれ、消失・変容しつつある多様なその文化を、人類学の立場から考究、紹介。論文・資料・調査報告・エッセイなどを含む関連情報の拠点。
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編集後記
本号では、論文2本、研究ノート4本、報告3点、そして書評と本の紹介も久々に4点の原稿が寄せられ、多彩な内容になりました。「原住民族研究の火を絶やしてはならない」との各著者の想いと熱意が込められた号となっています。
8月1日の「原住民族の日」の前日、東京都練馬区の施設で開催された在日台湾原住民連合会の豊年会には、私も参加しました。マスク装着のままでしたが、まさか日本で、原住民族の歌と踊りに親しみ、民族衣装を着た方たちが醸し出すゆるゆる楽しい雰囲気に包まれる日が来るとは思いませんでした。
同じ8月には、日台双方でのワクチン接種が進み、待ちに待った訪問学者の受け入れがはじまりました。新竹にある国立陽明交通大学客家文化学院に受け入れていただき、ビザ申請、健康観察登録、空港でのPCR検査、防疫タクシーでの移動、健康報告アプリでの応答、LINEでの地元警察官やホテルスタッフとのやりとりなどを戸惑いながら、何とかこなしました。3日間の完全隔離を無事に終えた朝、防疫ホテルの出入り口で、大きく深呼吸をしました。その傍らを、ホテルのロビーで飼われていた犬が道路へとすり抜けていきました。4日間の自主隔離を経て退出するときも、その犬は自由にホテル前の道路とロビーを行き来していて、人間だけが自由に行動できない不条理を痛感しました。
変わらずcovid-19は猛威を振るっていますが、本号が刊行された2022年11月現在、日本と台湾とはビザ申請が不要な行き来がようやくできるようになりました。しばし、往来が途絶えざるを得ませんでした。それが「しばし」であったこと、台湾での調査が本格的に再開できるようになったことを喜ばしく思っています。(Y.Y.)
24号編集委員会名簿(アイウエオ五十音順)
石垣 直
清水 純
原 英子
松岡 格
宮岡真央子
山本 芳美(編集代表)
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執筆者紹介(掲載順、2020年11月20日現在)
山西 弘朗 (やまにし ひろあき) 香川大学大学教育基盤センター非常勤講師
石垣 直 (いしがき なおき) 沖縄国際大学総合文化学部教授
月田 尚美 (つきだ なおみ) 愛知県立大学教授
蛸島 直 (たこしま すなお) 愛知学院大学文学部教授
笠原 政治 (かさはら まさはる) 横浜国立大学名誉教授
山本 芳美 (やまもと よしみ) 都留文科大学文学部教授
清水 純 (しみず じゅん) 日本大学特任教授
荻原 まき (おぎわら まき) 桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群助教
原 英子 (はら えいこ) 岩手県立大学盛岡短期大学部教授・九州大学比較社会文化研究院公立大学研修員
魚住 悦子 (うおずみ えつこ) 天理大学国際学部非常勤講師
東村 純子 (ひがしむら じゅんこ) 福井大学国際地域学部准教授
田本 はる菜(たもと はるな) 成城大学文芸学部専任講師
坂野 徹 (さかの とおる) 日本大学経済学部教授