ホーム > 王崧興『亀山島』と漢人社会研究

王崧興『亀山島』と漢人社会研究  新刊

翻訳・論考・資料

王崧興『亀山島』と漢人社会研究

「周辺」から中国の社会や中華文明を照射。原石のような民族誌の古典を完訳。陳其南の寄稿や論考・資料から多角的かつ今日的再評価。

著者 川瀬 由高 編訳
稲澤 努 編訳
長沼 さやか 編訳
藤川 美代子 編訳
呉 松旆 編訳
ジャンル 人類学
シリーズ 風響社あじあブックス > あじあブックス別巻
出版年月日 2024/05/25
ISBN 9784894893399
判型・ページ数 A5・576ページ
定価 本体3,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

刊行にあたって(編訳者一同)

凡例/台湾・福建地図

●特別寄稿

王崧興氏と彼の台湾人類学の時代(陳 其南/藤川美代子・呉松旆訳)

    1 序:台湾時代の王崧興
    2 出発点としての台湾原住民族研究
    3 漁村から農村へ:台湾社会の現実との接合と人類学のフィールド
    4 彰化八堡圳の研究と台湾における歴史人類学の展開
    5 彰化平原:一つの歴史化された人類学のフィールド
    6 イギリス・アメリカの人類学における漢人研究の思想と再考
    7 言語論的転回と漢人社会の親族研究
    8 結語
    〈訳注〉
    
●第1部〈翻訳篇〉:王崧興『⻲⼭島―漢⼈漁村社会の研究』

地図/写真/スケッチ

はしがき
緒言

第1章 亀山島の概要

    1 歴史背景
    2 地理環境
    3 教育
    4 行政
    5 漁家の生活
    6 小結:漁村の特徴

第2章 漁撈技術と経営

    1 集魚灯漁業
    2 深海サメ底延縄釣漁業
    3 地引網漁業
    4 その他の漁業
    5 小結

第3章 社会生活

    1 人口
    2 家族
    3 宗族
    4 継承
    5 婚姻
    6 親族名称
    7 社会集団
    8 小結

第4章 宗教生活

    1 組織
    2 村全体での宗教活動
    3 集団的な宗教活動
    4 個人的な宗教活動
    5 小結

結論

    1 株の原理に基づく社会の分析
    2 文化の両極性(Cultural Polarity)の分析

引用文献/Summary/附録 亀山島居民の系譜

〈訳注〉

●第2部〈論考篇〉:『⻲⼭島』を読む

第1章 〈座談会〉『亀山島』を読む(稲澤努・川瀬由高・呉松旆・瀬川昌久
                  ・長沼さやか・西村一之・藤川美代子)

    1 『亀山島』のおもしろさ
    2 漁民
    3 中国地域研究の現在
    4 宗族、社会関係
    5 島の外部とのつながりについて
    6 個人主義的指向と共同性指向
    7 系譜図

第2章 王崧興先生:その人と学問(瀬川昌久)

    1 はじめに
    2 不朽の業績『亀山島』
    3 香港中文大学時代の王先生
    4 日本で教鞭をとられてからの王先生
    5 展望に代えて

第3章 台湾の漁民社会へのまなざし(⻄村一之)

    1 はじめに
    2 股東とは
    3 S地区の漁業と「股東制」
    4 出稼ぎ労働者と「股東制」
    5 股東制をもつ閩南系漢人漁民社会
    6 おわりに

第4章 台湾の人類学と「自文化」研究:『亀山島』の今日的意義(呉 松旆)

    1 はじめに
    2 自文化研究の民族誌としての『亀山島』
    3 内部の多様性が注目される『亀山島』
    4 むすびにかえて

第5章 描かれなかった事柄は、何を語るのか(藤川美代⼦)
      :フィールドとしての亀山島、女性の仕事、島の外に広がる世界

    1 はじめに
    2 王先生は、なぜ亀山島をフィールドに選んだのか?
    3 男性は漁業、それでは女性たちは何を?
    4 島の外に広がる世界
    5 おわりに

第6章 亀山島系譜図を読み解く
      :複雑で名づけすら困難な人間関係に着目して(⻑沼さやか)

    1 はじめに
    2 亀山島系譜図の概要
    3 亀山島系譜図を読み解く(1):同母異父キョウダイ関係
    4 亀山島系譜図を読み解く(2):招夫
    5 おわりに

第7章 亀山島から考える「漢人らしさ」研究(稲澤 努)

    1 はじめに
    2 明示されない「漢人らしさ」
    3 B.ウォードの香港水上居民研究と『亀山島』
    4 他者研究か自文化研究か
    5 おわりに

第8章 非集団論へのアブダクション
      :『亀山島』から「関係あり、組織なし」への理論的展開(川瀬由⾼)

    1 はじめに
    2 「関係あり、組織なし」テーゼの基礎知識
    3 「関係あり、組織なし」へのアブダクション
    4 「関係あり、組織なし」テーゼからの『亀山島』再読
    5 おわりに

●第3部〈資料篇〉:王崧興の研究の軌跡

第1章 漢人の家族と社会(王 崧興)

    1 漢人家族の性格
    2 「家族」と「家庭」 :亀山島の実例から
    3 「家族」:社会結合の基礎
    4 むすび

第2章 中国の社会システムの動態(Wang, Sung-hsing/川瀬由高訳)
      :集団的連帯なきネットワーク構築

    1 はじめに
    2 社会的結合の基礎としての家族
    3 「分類」:社会的連帯を形成するプロセス
    4 複数の社会的アイデンティティの認識
    〈訳注〉

附 録 王崧興先生著作目録

あとがき(稲澤 努)

索引/写真・図表一覧

このページのトップへ

内容説明

「関係あり、組織なし」を生み出した名著……
『亀山島』は、関係/組織、個人/集団、流動性/安定性といった問題群から漢人社会を考えるための古典であるのみならず、「周辺」から中国人社会ないし中華文明を照射することで、主流/周辺、宗族/非宗族、農民/漁民といったカテゴリを再考するためのヒントにも満ちた民族誌なのである。(刊行にあたってより)

*********************************************


刊行にあたって(編訳者一同)より

  

 

 





 「関係あり、組織なし」。中国・漢人社会の研究史のなかで、ひときわ目を引くこのフレーズは、台湾出身の人類学者である王崧興(1935-1995)が提起したものである。中国研究者のみならず、他地域を専門とする多くの研究者にも影響を与えたこの議論は、中国人社会の構造的特徴を端的に表現した言葉として、今日でも色褪せることのない魅力を有した重要な参照点となっている。

 一方で、王崧興氏の主著である民族誌『亀山島―漢人漁村社会の研究』(1967年)については、これまで邦訳がなく、読者は中国研究者に限られたままであった。だが、この古典は、台湾における漢人社会研究史上の画期となった著作としての意義を有するのみならず、中国人社会の理解の深化のためにも、ひいては東アジアを考える上でも、あらためて読まれるべき価値を有するものである。すなわち、『亀山島』は、関係/組織、個人/集団、流動性/安定性といった問題群から漢人社会を考えるための古典であるのみならず、「周辺」から中国人社会ないし中華文明を照射することで、主流/周辺、宗族/非宗族、農民/漁民といったカテゴリを再考するためのヒントにも満ちた民族誌なのである。

 そして、このような問いを広く読者―とりわけ、他地域を専門とする人類学者、他分野を専門とする中国研究者、そして未来の中国民族誌家―に開いていくために、本書は通常の翻訳書とは異なり、三部構成をとることとした。本書が、中国民族誌学の知見を改めて問い直し、研究分野や世代間の断絶を超えた研究対話への契機の一つとなれば幸いである。

 第1部は、『亀山島:漢人漁村社会之研究』[王崧興 1967]の全訳であり、川瀬由高・稲澤努・長沼さやか・藤川美代子・呉松旆の5名による共訳である。なお、本翻訳の底本は、初版(1967年)の誤植に対し訂正が加えられた第二刷(1999年)とした。

 同書の舞台となった亀山島は、台湾の七大離島の一つともされる島で、清代から入植があったとされる。しかし、『亀山島』刊行から10年後の1977年に亀山島が軍事演習場に指定されると、住民らは島外へと強制移住させられることとなった。1994年以降、軍事管制が緩和されて元島民による帰郷を目的とした一時的な上陸が可能になったほか、1999年からは観光地として開放されているが、現在でも居住はできない。その意味では、『亀山島』はありし日の台湾離島社会の記録としての価値を有する民族誌である。

 第2部「『亀山島』を読む」は、座談会の記録と、7つの解題論文から構成される。まず、第1章「座談会 『亀山島』を読む」は、編訳者5名に加え、王氏と交流の深かった瀬川昌久先生、および台湾の漁民社会研究が専門の西村一之先生をお招きして実施した座談会の記録である。『亀山島』の面白さや研究史上の位置づけ、事例の特徴などをめぐる議論は、今日改めて『亀山島』を読むということの意義を考える上で、格好の導入となるだろう。

 第2章から第8章は、7名それぞれが、『亀山島』をいかに読み、王氏の研究といかなる対話をなしたのかの記録である。第2章「王崧興先生―その人と学問」(瀬川昌久)は、王氏の研究業績の展開を、中国民族誌学の研究史に位置づけながら解説している。第3章「台湾の漁民社会へのまなざし」(西村一之)は、『亀山島』が活写した漁民社会の特徴とその意義を、台湾漁民研究の脈絡に位置づけ解説する。第4章「台湾の人類学と「自文化」研究―『亀山島』の今日的意義」(呉松旆)は、台湾をめぐる地政学とネイティヴの人類学の問題から王氏の研究の意義を捉えなおす。第5章「描かれなかった事柄は、何を語るのか―フィールドとしての亀山島、女性の仕事、島の外に広がる世界」(藤川美代子)は、女性の姿など『亀山島』において後景化している事象に着目し、その民族誌的価値を再評価することを試みる。第6章「亀山島系譜図を読み解く―複雑で名づけすら困難な人間関係に着目して」(長沼さやか)は、『亀山島』に収録された系譜図を読み解くことで、理念や組織の論理に収まりきらない複雑な人間関係の網の目のなかに生きる人々の姿を描き出す。第7章「亀山島から考える「漢人らしさ」研究」(稲澤努)は、王氏の主要な研究テーマの一つであったエスニシティ論に焦点をあて、『亀山島』の再読を行っている。第8章「非集団論へのアブダクション―『亀山島』から「関係あり、組織なし」への理論的展開」(川瀬由高)は、王氏の先駆的研究としての非集団論に焦点をあて、その視点から『亀山島』を再読する可能性について論じる。

 古典とは元来さまざまな評価と対話が可能なものであるが、第2部の著者それぞれが提示する『亀山島』の読み方もまた多様である。『亀山島』から派生しうる、さらなる研究展開の可能性を示すことの成否は読者の判断に委ねるしかないが、少なくとも、編訳者らの熱を記録することはできたものと自負している。

 第3部「王崧興の研究の軌跡」には、王氏の漢人社会研究を再評価するための基礎資料を提供することを目的に、彼が記した二つの論文と、彼の著作目録を掲載した。第1章「漢人の家族と社会」は、1987年に発表された同題の論文の再録である[王崧興 1987]。つづく第2章「中国の社会システムの動態―集団的連帯なきネットワーク構築」は、1994年に発表された英語論文[Wang 1994]の全訳であり、川瀬由高が翻訳を担当した。前者は「関係あり、組織なし」テーゼが発表された論文であり、後者は、この観点をさらに一般化させた理論的性格の強い論考である。この二つの論文により、王氏が『亀山島』以降に取り組んできた漢人社会研究の精髄の一端を摑むことができるだろう。

 また、附録「王崧興先生著作目録」は、王氏が公刊した論文・記事等のうち、編訳者らが知りえたもののすべてを時系列で並べたものである。王氏はその生涯において、台湾、香港、日本で教鞭をとり多くの学生を育てるとともに、研究面でも多くの研究者を支援した。この著作目録からも、彼がそれぞれの土地において展開してきた研究の広がりを窺い知ることができるだろう。

 本書の刊行にあたり、台湾を代表する人類学者の一人である陳其南先生に序文をお寄せいただいた。翻訳は、藤川美代子と呉松旆が担当した。王氏の研究の諸側面を網羅的に概観する迫力のある論文となっている。


付記:本書刊行にあたり、著作権継承者を様々なルートから探したが、現時点では不明であった。お気づきの方は、編訳者ないし風響社までご連絡をいただきたい。
(→この件につきましては、著作権継承者の方から刊行直後にご連絡があり、事後ではありますが、ご快諾いただくことができました。継承者ならびにご協力いただいた方々に篤く御礼申し上げます。)


*********************************************

◆原著者紹介────

王崧興(おうしょうこう Wang, Sung-hsing)
1935年、台湾生まれ
東京大学大学院で文化人類学を専攻し、博士号を取得。その間、中根千枝教授に師事したほか、ロンドンにてモーリス・フリードマンのセミナーに出席するなどして研鑽を積んだ。その後、台湾の中央研究院民族学研究所、香港中文大学、日本の中部大学、千葉大学で研究・教育に従事。台湾原住民族研究にはじまり、台湾漢人研究、家族・親族研究、日本滞在の経験をいかした鋭い日本文化論や中国文化論、エスニシティ論などの分野においてユニークで優れた業績を数多く残した。1995年、研修休暇のため滞在中の台北にて没する。
主な著書として、『亀山島―漢人漁村社会之研究』(中央研究院民族学研究所、1967年)、Rice Farming in Taiwan:Three Village Studies (Institute of Ethnology, Academia Sinica. 1974. co-authored by Sung-hsing Wang & Raymond Apthorpe)、主な論文として、「関係あり、組織なし」テーゼを発表した「漢人の家族と社会」(『現代の社会人類学I』東京大学出版会、1987年)などがある。



◆編訳者紹介────

川瀬 由高(かわせ よしたか) 
1986年生まれ。2018年首都大学東京大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会人類学)。専攻は社会人類学、中国江南地域研究。現在、江戸川大学社会学部現代社会学科准教授。
主著書として、『共同体なき社会の韻律――中国南京市郊外農村における「非境界的集合」の民族誌』(弘文堂、2019年)、『中国民族誌学――100年の軌跡と展望』(風響社、2024年、分担執筆)、論文として、「流動的收割機――収穫期南京市郊外農村的即興分工」(顔行一訳、『人類学研究』第15-16輯、2022年、商務印書館)など。


稲澤 努(いなざわ つとむ)
1977年生まれ。2011年東北大学大学院環境科学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。
専攻は文化人類学、華南地域研究。現在、尚絅学院大学総合人間科学系准教授。
主著書として、『消え去る差異、生み出される差異――中国水上居民のエスニシティ』(東北大学出版会、2016年)、『僑郷――華僑のふるさとをめぐる表象と実像』(行路社、2016年、共編著)、『食をめぐる人類学――飲食関係が紡ぐ社会関係』(昭和堂、2017年、共編著)など。


長沼 さやか(ながぬま さやか)
1976年生まれ。2008年総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
専攻は文化人類学、中国地域研究。現在、静岡大学人文社会科学部教授。
主著書として、『広東の水上居民――珠江デルタ漢族のエスニシティとその変容』(風響社、2010年)、『中国における社会主義的近代化――宗教・消費・エスニシティ』(勉誠出版、2010年、共編著)、『〈宗族〉と中国社会――その変貌と人類学的研究の現在』(風響社、2016年、分担執筆)など。


藤川 美代子(ふじかわ みよこ)
1980年生まれ。2014年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士課程修了。博士(歴史民俗資料学)。専攻は文化人類学、中国の船上生活者研究、台湾の海女・海藻文化研究。現在、南山大学大学人文学部准教授。
主著書として、『水上に住まう――中国福建・連家船漁民の民族誌』(風響社、2017年)。論文として、「定住本位型社会で船に住まいつづける――国家による複数の管理システムを生きる中国福建南部の連家船漁民」(『年報人類学研究』10号、2020年)、「「よい石花菜」とは何か――台湾東北角におけるGelidiaceaeの採集・加工・売買をめぐる民族誌的研究」(『国際常民文化研究叢書』15巻、2022年)、「台湾の「海女」とは誰なのか」(『国際常民文化研究叢書』15巻、2022年)など。


呉 松旆(ご しょうはい/Ngôo, Siông-phài)
1988年、台湾高雄生まれ。
2024年関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了。博士(社会学)。専攻は文化人類学、アイヌ研究、台湾原住民族研究。現在、国立アイヌ民族博物館アソシエイトフェロー。
主著書として、『人類学者は異文化をどう体験したか――16のフィールドから』(ミネルヴァ書房、2021年、分担執筆)、論文として、「アイヌの歌・踊りの伝承に関する一考察――札幌を拠点とするアイヌ古式舞踊の保存会を事例として」(『北海道民族学』第19号、2023年)など。


◆寄稿者紹介────

陳 其南(ちん きなん/Chen, Chi-nan)
1947年、台湾屏東生まれ。
米国イェール大学文化人類学博士。専門は文化人類学、文化政策学、台湾史・文化研究。(台北)国立故宮博物院院長、(台湾)総統府国家政策顧問、台北芸術大学博物館学教授、(台湾)国家文化芸術基金会董事長、(台湾)行政院政務委員と文化建設委員会主任委員などを歴任。
主著書として、『台湾的伝統中国社会』(允晨文化、1987年)、『家族与社会――台湾与中国社会研究的基礎理念』(聯経出版、1990年)、『公民国家意識与台湾政治発展』(允晨文化、1992年)、『伝統制度与社会意識的結構――歴史与人類学的探索』(允晨文化、1997年)、『島史的求索』(台大出版中心、2020年、分担執筆)、論文として、「房と伝統中国家族制度――西洋人類学における中国家族研究の再検討」(小熊誠訳、『中国文化人類学リーディングス』風響社、2006年)など。


瀬川 昌久(せがわ まさひさ)
1957年生まれ。1986年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。専攻は文化人類学、華南地域研究。現在、東北大学大名誉教授。
主著書として、『客家――華南漢族のエスニシティーとその境界』(風響社、1993年)、『中国社会の人類学――親族・家族からの展望』(世界思想社、2004年)、『連続性への希求――族譜を通じてみた「家族」の歴史人類学』(風響社、2021年)、Ancestral Genealogies in Modern China: A Study of Lineage Organizations in Hong Kong and Mainland China(Routledge、2022年)など。


西村 一之(にしむら かずゆき)
1970年生まれ。2000年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科文化人類学専攻単位取得退学。博士(文学)。専攻は文化人類学、台湾研究。現在、日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授。
主著書として、『境域の人類学――八重山・対馬にみる「越境」』(風響社、2017年、共編著)、『台湾における〈日本〉認識――宗主国位相の発現・転回・再検証』(2020年、風響社、分担執筆)、論文として、「台湾東部漁民社会における中国人――大陸漁工をめぐる民族関係」(『白山人類学』14号、2011年)など。

このページのトップへ