
台湾先住諸族の研究誌。論文・資料・調査報告・エッセイなどを含む関連情報の拠点。
著者 | 日本順益台湾原住民研究会 編 |
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ジャンル | 定期刊行物 |
シリーズ | 雑誌 > 台湾原住民研究 |
出版年月日 | 2024/11/20 |
ISBN | 9784894899230 |
判型・ページ数 | A5・186ページ |
定価 | 本体3,000円+税 |
在庫 | 在庫あり |
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目次
鳥居龍蔵の第1回台湾調査ルート(清水 純)
鳥居龍蔵の台湾調査協力者、高木隆次
:デジタルアーカイブを活用した研究の一例(宮岡真央子)
[研究ノート]
第二次世界大戦後初期の台湾原住民族研究:日本の人類学に視点を置いて(その2)(笠原政治)
田信徳 タロコ受難記:4. Rahul Bsngan (Bsnganの教会)(月田尚美)
[報告]
キヌラン村のアワの里帰り:佐々木高明収集品の返還(竹井恵美子)
403花蓮大地震による台中市への被害(益田喜和子)
第16回日台原住民族研究フォーラム報告(益田喜和子)
財団法人日本台湾交流協会からの表彰(野林厚志)
[書評]
リムイ・アキ著、魚住悦子訳『懐郷』(山本芳美)
[末成道男先生:追悼文]
末成道男先生を偲ぶ(清水 純)
末成道男先生の学恩(野林厚志)
[彙報]
執筆要領・執筆細則(2019/11/20 改訂)
編集後記
内容説明
台湾先住諸族の研究誌。漢化と近代化の波に呑まれ、消失・変容しつつある多様なその文化を、人類学の立場から考究、紹介。論文・資料・調査報告・エッセイなどを含む関連情報の拠点。
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編集後記
今号は、論文2本、研究ノート2本、書評1本、報告4本の投稿がありました。論文は奇しくも両篇とも近年ウェブ公開された鳥居龍蔵のフィールドノートを主資料としていて、資料公開のインパクトとありがたみを実感します。研究ノートはどちらも既刊号からの続編です。本誌が会員の継続的な研究発表の場となっていることを嬉しく思います。日本からルカイの村キヌランにアワの種子が返還されたという報告は、今日の原住民族にとっての在来作物の価値と過去の研究者が収集した資料の現地還元の意義について考えさせられました。2024年4月30日の花蓮大地震について、台中市からの報告もありました。花蓮の今後の復興について、会員一同注視を続けたいと思います。今号は、論文2本、研究ノート2本、書評1本、報告4本の投稿がありました。論文は奇しくも両篇とも近年ウェブ公開された鳥居龍蔵のフィールドノートを主資料としていて、資料公開のインパクトとありがたみを実感します。研究ノートはどちらも既刊号からの続編です。本誌が会員の継続的な研究発表の場となっていることを嬉しく思います。日本からルカイの村キヌランにアワの種子が返還されたという報告は、今日の原住民族にとっての在来作物の価値と過去の研究者が収集した資料の現地還元の意義について考えさせられました。2024年4月30日の花蓮大地震について、台中市からの報告もありました。花蓮の今後の復興について、会員一同注視を続けたいと思います。
そのほか、本会が交流協会から表彰されたというニュースも掲載することができました。本会が研究活動を長く続けてこられた背景には、順益台湾原住民博物館の支援があります。同館は今年で開館30周年とのことです。本会もそれを記念して、『新版 台湾原住民研究への招待』を鋭意編集中です。さて、その一方、今年は大変残念な出来事もありました。本会の初代代表であり、研究会の組織化、本誌の創刊や編集、書籍や資料叢書の刊行などに多大なご尽力をくださった末成道男先生が、2024年1月に逝去されました。末成先生は本会にとって支柱のような存在でした。2篇の追悼文には、本会の発足から間もない頃の回想が綴られています。謹んで哀悼の意を表します。
今号は、編集代表を交代して初めての編集作業となり、危ういながらも前代表の山本芳美氏をはじめ他の編集委員に大きく支えてもらい、なんとか刊行にこぎ着けることができました。本会も少しずつ世代交代が進み、寂しさを覚えますが、これまでの蓄積を大切にしながら、有意義な学術誌として本誌の刊行を続けられるよう、尽力しようと思います。(M.M)
28号編集委員会名簿(アイウエオ五十音順)
石垣 直
清水 純
原 英子
松岡 格
宮岡 真央子(編集代表)
山本 芳美
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執筆者紹介(執筆順)
清水 純(しみず じゅん) 日本大学経済学部特任教授
清水 純(しみず じゅん) 日本大学経済学部特任教授
宮岡 真央子(みやおか まおこ) 福岡大学人文学部教授
笠原 政治(かさはら まさはる) 横浜国立大学名誉教授
月田 尚美(つきだ なおみ) 愛知県立大学教授
竹井 恵美子(たけい えみこ) 大阪学院大学国際学部教授
益田 喜和子(ますだ きわこ) 慶應義塾大学社会学研究科博士課程
野林 厚志(のばやし あつし) 国立民族学博物館教授
山本 芳美(やまもと よしみ) 都留文科大学教養学部教授