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客家の創生と再創生

歴史と空間からの総合的再検討

客家の創生と再創生

学界から一般に及ぶ「客家固有の文化伝統」言説の転換を目指して、研究の意味や対象との関係を問い直し、パラダイム転換を探る。

著者 瀬川 昌久
飯島 典子
ジャンル 人類学
シリーズ 人類学集刊
出版年月日 2012/02/20
ISBN 9784894891807
判型・ページ数 A5・244ページ
定価 本体5,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序論──(瀬川昌久)

第一章 少数民族籍客家─エスニック・グループの自明性と曖昧性(瀬川昌久)
 一 はじめに
 二 リー族である客家の村
 三 ショオ族となった客家の族譜
 四 エスニック・アイデンティティーの社会戦略と系譜認識
 五 結びに代えて──民族集団イメージの普及と文化の資源化

第二章 「客都」の変遷
      ─清末以降の梅州における客家意識の形成と客家文化の創生(夏遠鳴/河合洋尚訳)
 一 清代広東の地方文献における「客家」の表現
 二 清末民初の梅州における客家意識の創生
 三 羅香林と『客家研究導論』
 四 資源としての「客家文化」
      ─一九八〇年代以降の梅州における「客家文化」の消費と拡大
 五 おわりに

第三章 贛南地区における客家文化の構築過程
      ─「贛南日報」を事例として(周建新・柴可/横田浩一訳)
 一 問題提起
 二 研究方法
 三 先行研究の概観
 四 分析過程
 五 結論

第四章 福建土楼からみる客家文化の再創生
      ─土楼内部における「祖堂」の記述をめぐる学術表象の分析(小林宏至)
 一 はじめに
 二 客家土楼から福建土楼へ─世界文化遺産にともなう変化
 三 ユネスコによって語られる福建土楼における「祖堂」の意義
 四 土楼民俗文化村において説明される「祖堂」
 五 現地社会からみた「祖堂」の意義
 六 客家土楼とメディア表象──日本のメディアの役割
 七 福建土楼を介し再創生される客家文化
 八 おわりに

第五章 東江客家文化の創出と景観建設
      ─広東省河源市を事例として(河合洋尚)
 一 一九九〇年代以前における東江流域の学術表象と客家アイデンティティ
 二 河源市における空間政策と客家文化の提示
 三 河源市における東江客家文化の科学的証明と景観建設
 四 おわりに

第六章 台湾客家の過去・現在そして未来(飯島典子)
 一 台湾割譲と日本における客家研究の濫觴
 二 隠れたる族群─第二次世界大戦以後の台湾客家
 三 行政院客家委員会の成立
 四 「新」客家文化の創造
 五 結論

コラム──

 1 少数民族自治県の漢族
    ―広西チワン族自治区三江トン族自治県を例に(金裕美)
 2 客家と寧化石壁伝承(小林宏至)
 3 ある村の「客家文化」(稲澤 努)
 4 潮汕の視点から見る客家文化の表象(横田浩一)
 5 崇正総会・客属総会の沿革(飯島典子)
 6 福建省西部における祖先祭祀の復興と客家
    ─長汀県汀州鎮劉氏家廟の事例から(蔡文高)
結論──(飯島典子)
索引

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